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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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全ゲノム解析とは?

ゲノムってなに?

「ゲノム」とは生命の設計図です。指紋と同じように、すべての人はそれぞれに独自のゲノムをもっています。

「ゲノム」の情報は、細胞の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)という物質に書かれています。DNAは4種類の物質「A・G・T・C」の組み合わせでできていて、シークエンス解析という方法を使うと4種類A・G・T・Cの文字の配列を読み取ることができます。ゲノムは人間の場合(ヒトゲノム)、全体で約30億文字にもなります。

この30億文字の配列には、「この配列に従ってタンパク質を作れ」など役割をもつ「遺伝子」部分(全体の数%)と、それ以外の、遺伝子と遺伝子の間の領域や機能が分かっていない「非遺伝子」部分があります。

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全ゲノム解析とは?

「全ゲノム解析」とは、非遺伝子部分も含めたすべてのゲノム配列とその働きを調べることをいいます。

これまでのゲノム研究は一部の遺伝子などの解析にとどまっていましたが、近年、技術の進歩により全体を一度に解析できるようになりました。

ゲノム配列には個人差があり、その差が、身体の構造や機能などの個性、病気のかかりやすさの違い、薬の効き方や副作用の違いを見つける手がかりになる可能性があります。

これまで診断がつかなかった病気が診断できるようになったり、病気のメカニズムの解明や新しい治療法等の開発、個人のゲノム情報に基づく病気の予防や早期発見・早期診断などにつながると期待されます。

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全ゲノム解析等実行計画について

日本では、がんや難病の患者さまの全ゲノム解析を行うことで、医療の発展を目指す「全ゲノム解析等実行計画」が国によって策定されています。

国民の皆さんへ質の高い医療を届けるために、解析したデータや診療情報などのデータを蓄積し、それらを用いた研究・創薬などを促進することで将来的な「がん・難病等の克服」を目指すことが、全ゲノム解析等の推進によって目指す医療の姿です。

「全ゲノム解析等実行計画」においては、全ゲノム解析等事業の運用を担う組織として、令和7年度中に「事業実施組織」を発足するとされています。

事業実施組織の発足に向け、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)に「事業実施準備室」が設置され、現在、事業実施組織の発足に向けた検討を進めています。

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がんの全ゲノム解析について

がんは、おもに遺伝子が傷つくことで症状があらわれる病気です。これまで、がんの研究や検査では、がんに関係する特定の遺伝子のみを調べていましたが、近年の技術進歩により、がんの全ゲノム解析ができるようになりました。

これが、「がんの全ゲノム解析」です。

「がんの全ゲノム解析」により、患者さんのがんの特徴をよりくわしく知ることができ、より効果のある治療法やお薬を選ぶときのヒントが得られる可能性があります。

また、多くの患者さんのデータを集めることで、未来の医療の発展、つまり、がんの予防と治療、お薬の開発などにつながることが期待されています。

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難病の全ゲノム解析について

難病とは、原因や病気が発生する仕組みが明らかでない、治療方法がさだまっていない、めずらしい、長期にわたる療養を必要とする、などの特徴をもつ病気のことです。

難病においても、がんと同じく全ゲノム解析をすることにより、原因となる遺伝子の特定、また、患者さんの難病の特徴をよりくわしく知ることができます。

「難病の全ゲノム解析」により、難病の早期診断や病気になったあとの症状の予測、患者さんの治療方針の決定、新たな治療法やお薬の開発などにつながることが期待されます。