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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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薬剤アレルギー歴を有するバイオバンク登録症例のゲノム解析

本プロジェクトは、さまざまな薬剤によって引き起こされるアレルギーの発症に関与する遺伝子を、全ゲノムシークエンス解析あるいはゲノム全域関連解析によって探索する研究です。患者治療にあたって薬剤アレルギー歴は必須情報です。薬剤応答性には個人差があり、それは薬剤感受性遺伝子が関与すると考えられています。しかし薬剤アレルギーに関わる遺伝子の全貌はいまだに解明されていません。その多くは発症頻度が1%以下と低いため、症例と情報の集積が困難を極めるためです。ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)中央バイオバンクは、国内6カ所の国立高度専門医療研究センター(6NC)に付設するバイオバンク(BB)と共にカタログデータベース(DB)を運営し、生体試料の研究利活用を促進してきました。その活動を通して薬剤アレルギー歴情報も集積しています。薬剤アレルギー歴は、バンク登録時に専門コーディネーターがヒアリングし、詳細に情報収集しています。またDNAは、ISO9001に準じたプロトコル管理と品質管理により保管されています。このバイオバンクでは、薬剤アレルギー歴を有する患者検体を見つけることができます。薬剤アレルギーについては集団差があることも知られており、日本人における研究は重要です。疾患背景により発症が異なる可能性もあり、NC毎の解析結果の比較も意義があると考えられます。 

研究のイメージ図

tokunaba_image.png

期待される効果

本プロジェクトで得られたゲノム解析結果は将来、各NCバイオバンクの試料情報に付加します。これにより広く共有できる仕組みとすることで、疾患制圧の一助となることが期待されます。

主任研究者

徳永勝士(国立国際医療研究センター 中央バイオバンク)tokunaga_ncgm2.png

さまざまな薬剤によってアレルギーが生じる場合があります。国内6カ所の国立高度専門医療研究センター(6NC)に付設するバイオバンク(BB)に保管されている総計4,000症例を超える薬剤アレルギー患者検体のゲノム解析を共同で行うことによって、いくつかの薬剤アレルギーに関わる遺伝要因が見出される可能性があります。この成果は将来、薬剤アレルギーのリスクを予測して未然に防ぐことにも役立つことが期待されます。

分担研究者

【国立国際医療研究センター】
・中央バイオバンク事務局
 野入英世、大前陽輔

・バイオバンク
 丸岡豊、潟永博之


【国立がん研究センター】
・バイオバンク
 谷田部恭、白石航也、加藤健


【国立循環器病研究センター】
・バイオバンク
 宮本恵宏、冨田努



【国立精神・神経研究センター】
・バイオバンク
 後藤雄一、吉田寿美子



【国立成育医療研究センター】
・バイオバンク
 梅澤明弘、秦健一郎



【国立長寿医療研究センター】
・バイオバンク
 新飯田俊平、徳田治彦、渡辺浩、尾崎浩一