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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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アルツハイマー型認知症を有する高齢者における重症化因子の探索と重症化予測モデルの開発

研究概要

急速に高齢化が進んでいる日本において、認知症患者の数は増加傾向にあり、認知症との「共生(認知症と診断されても、希望と尊厳をもって元気に暮らし続けられること)」という観点からも重症化(認知症の症状の悪化やそれに伴う介護負担の増加など)を防ぐための対策の重要性が高まっています。しかしながら、認知症の方とそのご家族を支援し、重症化を防ぐための効果的な認知症ケアの方法は十分に確立されていません。その理由としては、認知症と診断された後の臨床経過や重症化に関連する要因など、認知症の方のケアプランを決定する上で参考となるエビデンスが日本で不足していることが考えられます。欧米諸国では重症化に関連する因子を報告した研究がいくつかありますが、医療・介護制度が異なる日本に欧米諸国の知見をそのまま適応させることはできません。また、これまでに報告されている重症化に関連する因子は、年齢、性別、認知機能など介入が困難な因子が多く、介入が可能な因子はほとんど明らかにされていません。そのため、これまでに報告された知見だけではエビデンスに基づいた効果的な認知症ケアプランを決定することは難しく、日本人の実態に則した重症化を防ぐためのエビデンスを創出していく必要があると考えています。

そこで本研究では、65歳以上のアルツハイマー型認知症患者を対象に、国立長寿医療研究センターもの忘れ外来に蓄積されたデータを活用して、重症化に関連する因子について介入可能な因子も含めて検討します。そして、日本人の実態に則した重症化を予測するモデルを開発し、認知症の方の効果的なケアプランの決定・見直しに貢献するエビデンスを提供したいと考えています。

研究のイメージ図

研究のイメージ図

期待される効果

エビデンスに基づいた認知症ケアプランを作成・見直し、認知症の方とそのご家族の認知症ケアに関する意思決定支援に貢献できると考えています。

主任研究者

内田一彰(国立長寿医療研究センター 予防科学研究部 特任研究員)

高齢化に伴い認知症患者さんは増加していますが、認知症との共生に向けて、研究者として少しでも貢献したいと考えております。本研究が、認知症の方およびそのご家族、認知症診療の関わる医療・介護従事者の方にとって有意義なものになるように、一生懸命取り組んでまいります。

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分担研究者

【国立循環器病研究センター】
予防医学・疫学情報部
尾形宗士郎
【国立循環器病研究センター】
予防医学・疫学情報部
清重映里