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国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部

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サルコイドーシスの心病変の発症と遺伝要因との関連を明らかにするための研究

研究概要

サルコイドーシスは、肺・眼・皮膚などの様々な臓器に、炎症による腫瘤(肉芽種)を作る病気で、自然に症状が改善する場合もありますが、難治化する場合もあり、厚生労働省の特定疾患(指定難病)に指定されている病気です。原因や発症機序は完全にはわかっていませんが、細菌などに対する免疫の反応が発症に関与する可能性が指摘されています。そのため、ヒトの免疫と関係する重要な分子であるHLA(ヒト白血球抗原)との関連が、これまで複数報告されています。

サルコイドーシスによる肉芽種を生じる臓器の中でも、心臓は比較的稀な発症臓器である一方で、心臓の機能低下や不整脈を生じることがあり、心臓に発症した場合、特に予後が悪いとされています。心臓以外の全身性のサルコイドーシスの発症と関連するHLAは複数報告されていますが、HLAと心臓サルコイドーシス症例の発症との関連や、発症した症例における、心臓の機能低下や予後等との関連についてはこれまで報告がありません。

私たちの研究グループでは、これまでHLAとタンパク質の結合親和性に着目して、心臓の機能低下と関連するHLAについて検討行ってきましたが、本研究では、さらに対象症例数を増やして、心臓サルコイドーシスおよび心臓表現型の発症と関連するHLA型およびその他遺伝子因子について明らかにすることを目的としています。

研究のイメージ図

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期待される効果

心臓サルコイドーシスの発症や重症化に関与する遺伝子が新たに発見された場合、心臓サルコイドーシスと診断された患者さんにおいて、その後の重症化などの予測が可能となる可能性があります。また、遺伝子について検討することで、心病変の進行を早期に発見・治療介入できる可能性があると考えられます。

主任研究者

金岡幸嗣朗(国立循環器病研究センター 情報利用促進部/バイオバンク 室長)

循環器の病気の中でも、心臓サルコイドーシスは、発症機序や増悪因子が十分解明されておらず、未だに予後が悪い疾患のひとつです。心臓サルコイドーシス患者さんに対して、有益な情報が提供できるよう、ナショナルセンターで協力して症例を集めて研究を進めていくことができればと考えています。

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分担研究者

【国立国際医療研究センター】
呼吸器内科
石田あかね

【国立国際医療研究センター】
膠原病内科
原田拓弥